中国の都市にはかつて、上昇の気配が満ちていた。高層ビルの光は成長の象徴であり、住宅価格は伸び続けると信じられ、人々の生活に未来の輪郭を与えていた。しかし「いま街に漂うのは、その熱気が引いた後の静かな重さである」と語るのはコラムニストの村上ゆかり氏だ。
不動産大手の中国恒大集団が最初の債務不履行に陥ってから4年が過ぎた。当時多くの人が拙速に中国の「リーマン・ショック」と呼んだ出来事は静かに過ぎ去ったようだ。恒大と同様に多額の債務を抱える同業は巨額の債務整理を徐々に、だが着実に進めている。現時点では、 ...
〈番組概要〉 今回の「+RONTEN」は、「日中関係悪化で経済どうなる?」をテーマに、国際問題研究所客員研究員で、現代中国研究家の津上俊哉さんをゲストにお招きしました。
暴走する中国の報復が止まらない。再び外交官が威嚇に出たかと思えば、経済制裁の挙げ句にパンダ新規貸与停止まで示唆する始末。しかし、中国による報復はむしろ中国人の首を絞めることになりそうで……。
中国には固定資産税も相続税もない。住宅を何軒持っていても税金はほとんどかからず、他人に貸して家賃を取ったり、値上がり後に売ったりすればもうけは大きい。不動産が投機の対象になったのは当然だ。人びとはさらなる値上がりを期待してこぞって住宅を買い、家計資産 ...